現在ヲ読ム 平成24年5月1日

日本再生の祈り

昨年九月三、四日の台風十二号の大水害に際しまして、全国の崇敬者、神社関係者はじめ皆様から、緊急の救援物資、御見舞い金、祭具など数々の御支援を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。皆様の温かい御支援に支えられ、職員とともに一丸となって復旧に全力をあげております。

当大社では、大鳥居や駐車場が水没、御旅所が全流出し、御船島も殆どの木が流されてしまいました。職舎三棟も床上浸水し、私も四か月に亙り社務所に避難いたしましたが、御社殿には大きな被害が及ばず不幸中の幸でした。道路網も既に復旧され、参詣には支障がありませんので是非御参詣下さい。

三・十一の大震災以降、微力ながら東北の被災地への慰問と支援活動をつづけてきましたが、まさか私達も被災するとは夢にも思っておりませんでした。明治二十二年以来の大水害を受けた熊野の山や川は、凄まじい土石流の力によって様相を一変させましたが、春から初夏の訪れとともに、少しずつ美しい天然の命が甦りつつあります。

自然が豊かな自然を、そして人間社会を破壊してゆく無常の様に言葉を失っていた時、遠くから、また近くから私達はどれだけ励まされたことでしょう。災害で失ったものは計り知れませんが、得たものも沢山あるのです。

厳しき父と慈母の顔を合わせ持つ自然の摂理とは言え、今世界中で起きている天変地異は、人類の驕りにくだす天の怒りなのかとさえ思われます。自然との共生を謳い、自然への感謝を唱えながら、一方で今なお地球上の至るところで楽を求めて自然を侵し続ける人類の不遜の歴史を今こそ改め、日本の再生の為に私達一人一人が思いをひとつにして、立ち上る時ではないでしょうか。

熊野速玉大社宮司 上野 顯


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