令和六年の新春を寿ぎ、謹んで新年の賀詞を奉ります。
本年は降り龍の年といわれる甲辰にあたります。甲辰年は瑞々しい生命力や運気が天界から降りてくる「降り龍の年」といわれています。戦争や災害など心を痛めることも多い世情ですが、神恩に感謝して清々しい心で辰年の運気をいただきたいものです。
今年は熊野が「紀伊山地の霊場と参詣道」として、日本で十二番目の世界遺産に登録されてから二十周年を迎えます。あらためて熊野信仰の原点を振り返り、熊野速玉大社の魅力を多くの人に広めていく年にしたいものと願っております。
登録から二十年で熊野を訪れる観光客は急激に増加し、大きく様変わりいたしました。特に海外から訪れるインバウンドの数は私達の想像をはるかに超えて、さらに増え続けています。このように熊野が国の内外から高い評価を受けている理由は何なのでしょう?
私は、「自然の豊かさ」よりも「自然の気高さ」を感じる地であること、そして生きる力をもう一度いただく「甦りの地」であること、この二つに大きな意味があると思います。熊野の魅力は、一朝一夕にして培われたものではありません。 熊野速玉大社は、神倉山に降臨された神々を麓に迎え、初めての社殿を建てて新宮と号し、令和十年に「御創建壱千九百年」を迎えます。
悠久の歴史をつなぐ人々の篤い信仰が、今の速玉大社の歴史を創り上げてきました。 当社の社訓となっている「訪れる人々を地位や身分、強者弱者で区別せず、分け隔てなく迎え入れよ」という言い伝えも、長い熊野詣の歴史の中で生まれました。
これからも詣でる人の心を大切にして、熊野の分け隔てない精神と甦りの信仰を広め、皆様とともに梛の御神木に世界平和の祈りを捧げていきたいと思います。
祈りましょう、地球のために!
全国熊野会会長 熊野速玉大社宮司 上野 顯
