本年は、沖縄が本土に復帰して五十年を迎えます。
復帰間もない沖縄に植樹された熊野速玉大社の御神木「梛」が、平和の象徴として大きく育っています。当時、「本土から緑のプレゼント」と大きく報道され、私の郷の植樹を通じた平和運動の原点となりました。
平和を祈る時、私は地球のために祈るということを大切にしています。豊かさを得るために自然環境をつくり変えてきた私達の歴史は、共生というより、むしろ自然との対立の歴史とよぶ方が相応しいかも知れません。
人類は文明社会を築き上げた一方で、未来を危うくする要因も生み出してきたのですから、そのことを懺悔し、地球のために祈るのです。
世界は本腰を入れてカーボンニュートラルに舵を切り始めましたが、脱炭素社会への急激な変革は実現が容易ではありません。専門家の研究によると、気候変動の要因となっている温室効果ガスの削減に残された時間は、私達の想像をはるかに超えてごく僅かしかありません。
それにも拘らず、武力によって尊い命が奪われ、日々環境が破壊されていく世界の状勢に、地球の未来は極めて重大な岐路に立たされていると危惧せざるを得ません。
人間の手でなくすことができる悲しみや過ちが、何故なくならないのか。この現実から目をそらさず、たとえ無力でも何かできることを始めなければと思います。
「人もまた自然なり」 地球は人間だけのものではなく、森羅万象すべての母であることを改めて強く思いおこし、地球に未来を残すために、心から祈りを捧げます。
全国熊野会会長 熊野速玉大社宮司 上野 顯


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