喧騒を離れ、御神前で「いま」に向き合う

「日々の営みに追われるなかで、ふと立ち止まりたい」そんなとき、熊野速玉大社の正式参拝は、御神前に心を鎮め、静かに自らと向き合うひとときとなります。拝殿ではまず、日々の御神恩への感謝を神様に捧げます。願いごとだけでなく、「いま、こうして無事に参拝できていること」そのありのままの姿に、静かに思いを向ける時間でもあります。
熊野速玉大社は、全国熊野神社総本宮として、悠久の時を超えて人々の祈りの場であり続けてまいりました。熊野の豊かな自然と歴史に包まれた御神前で、心を鎮めて祈りを捧げるひとときは、現代を生きる私たちにとって、かけがえのない時間となりましょう。
梛の玉串に、感謝と祈りを捧げる

熊野速玉大社では、御神木「梛(なぎ)」を玉串に用います。一般のお社では榊の枝葉を玉串に用いることが多いなか、当大社では、千年にわたり熊野の祈りを見守ってきた御神木「梛」にちなみ、梛の玉串を御神前に捧げます。
梛の名は、風がやみ、波が穏やかになる「凪」に通じ、人生の波風を鎮める御神木として、古くから人々の信仰を集めてまいりました。玉串拝礼は、参拝者の感謝と祈念を玉串に込めて、御神前に献じる神道の儀礼です。梛の玉串を御神前に捧げることで心を清め、熊野速玉大社が伝える「甦り」の御神徳に触れていただけます。
また、梛は「絆の木」としても親しまれ、神様との御神縁、そして家族や夫婦、大切な方との絆が末永く続くよう願う木でもあります。梛の由緒や「絆の木」としての意味については、別記事「御神木『梛』千年の祈り」でもご紹介しています。
正式参拝の流れ

正式参拝は、おおむね以下の順で執り行います。
1. 手水舎にて手と口を清める
2. 受付
3. 拝殿へ進む
4. 修祓(お祓い)を受ける
5. 祝詞(神様への祈りの言葉)を奏上する
6. 玉串を奉りて拝礼する
所要時間は、30分〜1時間程度です。お時間に限りのある方は、あらかじめお申し出ください。可能な範囲で調整いたします。正式参拝は、事前にご予約いただけますと幸いです。
玉串の捧げ方
玉串拝礼は、神職が案内いたします。初めての方も、落ち着いてお進みください。
1. 神職に軽く一礼し、玉串を両手で受け取ります。
2. 玉串を胸の高さに捧げ持ち、案(玉串を捧げ奉る台)の前に進み一礼します。
3. 玉串を時計回りに90度回し、縦に持ちます。
4. 左手を下げ、両手で玉串の根元を持ち、祈りを込めます。
5. さらに玉串を時計回りに回して、根元を御神前の方へ向けます。
6. 玉串をそのまま案の上にお供えし(置き)ます。
7. この後、二拝二拍手一拝の作法でお参りします。
どなたでもお参りいただけるように

当大社には、「濡れわらぐつの入堂」という社訓が伝わっています。外見や身なりで判断することなく、どなたでもお参りいただけるという心を、今も大切にしています。正式参拝に際しても、服装によってお参りをお断りすることはございません。どうぞ心静かに、御神前へお進みください。
御神前に日々の感謝と祈りを梛の玉串に込めて捧げる。熊野速玉大社での正式参拝が、皆さまにとって、自らの歩みを見つめ直すひとときとなりますように。熊野の神々との御神縁を胸に、再び日々を歩む力をお持ち帰りください。